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相続登記等の義務化について その3

その1 その2 からの続きです)

 今回の法律改正では引越や結婚などで所有者の住所や名前が変わった場合も住所氏名変更登記が義務づけられ、変更があった日から2年以内に登記をしなければ5万円以下の過料の対象となります。所有者が株式会社などの法人であって、本店や商号を変更した場合も同様です。

 この「住所氏名変更登記義務化」は「相続登記義務化」と同様に、法律改正以前から住所等の変更が発生している場合もさかのぼって義務化の対象となり、法律の施行日から2年以内に登記を申請する必要があります。

 住所や氏名の変更は相続と比べて発生する場面が多くあると考えられ、義務化によって所有者に対して大きな負担になりかねません。そこで登記官が氏名、住所及び検索用情報を検索キーとし、住基ネットに定期的に照会を行うなどして所有者の住所変更等の事実を把握することとしました。そして、その情報から住所等に変更があったと登記官が認めた時は、職権でその住所等の変更登記をすることとされました。ただし所有者が自然人(法人などではない、いわゆる人間個人のことです)である場合は、プライバシー保護の観点からその人の申し出がある時のみに限られます。

 「法務局が職権で住所等を変更してくれるなら、住所や名前の変更登記は自分でしなくてもいいの?」という疑問が出てくるかと思います。私もそう思います。個人的な見解としましては、登記官の定期的な照会から漏れて職権登記がなされず、所有者からの登記申請もなかった場合は過料の対象になるのではないかと思いますが、まだ現段階でははっきりしていません。これから具体的な事例等がでてくると思いますので、当ブログでも情報を更新していきたいと思います。

 なお登記官の職権による不動産登記の更新は所有者が死亡した場合もなされますが、これは単に所有者が死亡したという事のみが反映されるだけで、相続登記がなされたことにはなりませんのでご注意ください。

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