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ご家族が亡くなられると、相続に関する手続きが次々と必要になります。代表的なのが不動産の相続登記と銀行口座の相続手続きです。
「どちらを先に進めればいいの?」と迷う方も多いでしょう。
1.相続登記と銀行手続きの違い
・相続登記:不動産の名義を故人から相続人に変更する手続き(法務局へ申請)。
・銀行手続き:故人名義の預貯金口座を解約・払い戻し、または相続人に分配する手続き(金融機関で対応)。
どちらも相続人全員の同意が必要なケースが多く、戸籍や遺産分割協議書などの書類を整える必要があります。
2.銀行手続きで「一部引き出し」が可能に
従来は、故人の預貯金口座は、金融機関に死亡の事実が伝わるとすぐに凍結され、相続人全員で手続きを終えるまで一切引き出せないのが原則でした。
しかし、2020年の民法改正で預貯金の仮払い制度が導入され、以下のように一定額に限って相続人単独で引き出し可能になりました。
・引き出せる上限額(以下の低いほうの金額です)
○死亡時の預貯金残高×法定相続分×3分の1
○150万円
※上記は「金融機関ごと」に適用されますので、複数の預貯金口座がある場合は出金可能金額が増
える可能性があります。
計算の具体例(相続人は妻と2人の子供、預貯金額は1200万円とします)
この場合妻の法定相続分は2分の1、子供たちはそれぞれ4分の1づつとなるので
妻:1200万円×2分の1×3分の1=200万円
150万円より多いので妻の出金額は150万円になります。
子:1200万円×4分の1×3分の1=100万円
150万円より少ないので子の出金額はそれぞれ100万円になります。
この制度より、葬儀費用や当面の生活費を確保できるようになり、相続手続きがスムーズになりました。
3.どちらを先に進めるべき?
結論:状況に応じて優先順位が変わります。
・生活費や葬儀費用が急ぎで必要⇒銀行手続きを優先(仮払い制度を併用)
・不動産を売却したい、名義変更を急ぎたい⇒相続登記を優先
・戸籍などの書類を効率よくそろえたい⇒並行して進めるのがおすすめ
4.実務的な流れ
1.相続人を確定(戸籍を収集)
2.遺産分割協議(遺言が無い場合。誰が何を相続するか決定)
3.必要に応じて預貯金の仮払い制度を理由
4.不動産⇒相続登記、預貯金⇒銀行手続き、その他の財産⇒各種手続き
まとめ
相続登記と銀行手続きはどちらを先に行っても問題ありません。
ただし、急な出費に備えて預貯金の仮払い制度を知っておくと安心です。
効率よく手続きを進めるためには相続人の確定と遺産分割協議をしっかり行うことがポイントです。