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こんにちは。司法書士江上慎也事務所です。夏も本格化してきましたが、暑さの質が昔と違ってきています。こまめな水分補給をこころがけ、くれぐれも体調にお気をつけください。
さて、今回お話しさせていただくのは、今年の7月1日からスタートしました「生命保険契約照会制度」についてです。
この制度は、平時の死亡、認知判断能力の低下、または災害時の死亡もしくは行方不明によって生命保険契約に関する手掛かりを失い、保険金等の請求を行うことが困難な場合等において、生命保険の有無の照会をし、保険金の請求ができるようにする制度です(一般社団法人生命保険協会のホームページ参照)。
例えば、一人暮らしの高齢者が亡くなった場合にその方(「被相続人」といいます)が生命保険を契約していたにもかかわらず相続人が保険証券等を見つけられなかったり、そもそも被相続人が保険契約をしていたことを相続人が知らなかった場合などに保険金の請求漏れが発生する可能性があります。そして保険金の請求権は請求権者が権利を行使できるようになった時から3年間行使しない場合は時効によって消滅します(但し、状況によっては3年を経過した場合でも支払いに応じてくれることもあるようです)。また、保険契約者の認知判断能力が低下することによって保険の内容が分からなくなる、といったケースもありえます。
以前ですと今回のタイトルにもあるように、被相続人の保険内容が分からない、そもそも契約をしていたのかもわからないといった場合には、個別に保険会社に対して調査をするなど、難しいケースがあったのですが、今回の「生命保険契約照会制度」を活用することによって大幅にラクになりそうです。
具体的な手続きとしては、契約者・被保険者が亡くなった場合又は認知判断能力が低下している場合において、照会者から生命保険協会へ照会を申し出、照会対象者に関する生命保険契約の有無について一括して生命保険各社に調査依頼を行い、その調査結果をまとめて照会者に回答するというやり方です。この「一括して」調査ができるということが非常に画期的だと思います。
照会者になれる方は、下記のとおりです。
死亡時
・照会対象者の法定相続人
・照会対象者の法定相続人の法定代理人または任意代理人(※1)
・照会対象者の遺言執行者
認知判断能力の低下
・照会対象者の法定代理人(成年後見制度を利用している場合)
・照会対象者の任意代理人(任意後見制度を利用している場合)
・照会対象者の任意代理人(上記以外:※1、※2)
・照会対象者の3親等以内の親族(及びその任意代理人)
災害による死亡もしくは行方不明
・原則として照会対象者の家族(配偶者、親、子、兄弟姉妹)に限られます。
(※1)任意代理人の範囲は、弁護士や司法書士その他照会対象者の財産管理を適切に行うために生命保険契約
の有無を紹介するにふさわしいと生命保険協会が認めた方に限られます。
(※2)法定代理人又は任意後見制度に基づく任意代理人が選任されている場合には、それ以外の任意代理人か
らの照会はできません。
かなり便利になった「生命保険契約照会制度」ですが、ご不明な点や疑問点等がありましたら、お気軽にこちらの質問フォームよりお尋ねください。